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畑仕事、キャンピングカーの旅、サウナ、読書…晴耕雨読の日々を綴る【いくら君のこころととのう日記】

柄谷行人『「世界史の構造」を読む』読了

読書について 2024年3月22日

柄谷行人『「世界史の構造」を読む』読了

 先日、読了した『世界史の構造』は、柄谷行人による、ある意味で人類の未来への預言書である。その預言(筆者の考察)を我々凡庸な読者に理解させるためには、徹底的に人類の歴史について丁寧に細やかに説明必要があった。もちろん柄谷氏が注目した「交換様式」という概念を軸にして。そして、生まれたのが『世界史の構造』という、氏にしては珍しく、網羅的かつ構造的な大著である。

 おそらく、あまりに刺激的な名著であるため、世界中から反響があったであろうし、また、筆者としては一つの軸を中心にブレなく一冊の書物にまとめる必要に迫られ、多くの派生的な考えを削ることにならざるを得なかった。『世界史の構造』発表後、2011.3.11東日本大震災・福島第一原発事故が起こり、新たな考えを持つとともに、削除された問題を語りたい(書きたい)という欲望が抑えられなくなった。その結果、新たに150枚の論文を書き、多方面の識者との数多くの対談をまとめ、上梓されたのが、本書『「世界史の構造」を読む』である。

 対談の相手は、政治学者・小説家・元外交官・宗教学者など多岐に渡り、多くの識者が『世界史の構造』に示唆を受けたことを述べた上で、新たに質問をし持論を展開する、さらにそれに対する柄谷氏の解答・現在における考察を述べる。

 巧妙な搾取システムである資本主義が限界を迎えつつある現在で、もうすでに第三世界(植民地化する場所・搾取する国)を失いつつある帝国が僅かなる差異を求める結果、世界戦争が訪れる。そして、その後に何が起こるか。それはB(略取と再分配)やC(商品交換)によって抑圧されていたA(互酬)が回帰するの交換様式Dの世界(「カント」の「世界共和国」)が訪れるといいうのだ。そのために、日本ができることは9条を実行すること、つまり国連に軍事力を移管することである、と。

 自由=遊動民的=誰からの支配もない☞コミュニズム的アソシエーションの到来。

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