読書について 2024年9月7日
今井むつみ『「何回説明しても伝わらない」はいなぜ起こるのか?』読了
相変わらずカントの最中。ようやく下巻に入る。先は見えてきた感じ。
「耽美派が老境に入りカント読む」 いくら
自虐であります。
さて,本作。次の作品のテーマは「言葉は伝わらない」であります。
で、本作を見つけカントの頭休めに目を通しました。確か,日経新聞に広告がなっていたのだと思います。ビジネス書です。だが,著者は今井むつみ氏!認知心理学,言語心理学の権威。言語に関しての書籍も多数ある。この一点で本書を読みました。
で,結果ですが,まあ、よかった。キレが悪い表現だなぁ。ターゲットが完全にビジネスマンである点に減点(普遍性にかける)。ただ認知学者として明確な問題を,実例を上げつつ,平易な分かりやすい言葉で書いてある点は◯。
要するに人間は,生まれた環境も身につけた確かの質量も全て違う。つまり知識の枠組み(スキーマ)が違う。例えば「ネコ」と聞いて、かわいいと思う人も,あの目がイヤだ、と思う人もいる。全ての人は全ての背景が違うから物事の捉え方が完全に一致することなどあり得ない。
だが,それを前提に考えればモノの見え方は変わってくるだろう。
それぞれの認知バイアスを意識しつつ,常にメタ認知し,他者を認める能力を磨くこと,これしかない!
反省する点はたくさんあります。
ありがとうございました。