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畑仕事、キャンピングカーの旅、サウナ、読書…晴耕雨読の日々を綴る【いくら君のこころととのう日記】

内田樹『コモンの再生』読了

読書について 2025年1月2日

内田樹『コモンの再生』読了

内田樹『コモンの再生』読了。

本作は、雑誌「GQ  JAPAN」に連載されたエッセイをまとめたもの。

 これらのエッセイの成り立ちであるが、編集者今尾氏と編集長鈴木氏が隔月神戸にあつ内田氏の自宅を訪れ、そこで今尾氏が提示した質問に対し、鈴木編集長と内田氏があーれもない、こーでもないと、議論したものを文字起こしし、編集しなおしたものだそうだ。一人で原稿用紙(キーボード)に向かって文章を作るのとは違って、自分自身想いもしなかったような意見が出てくるスリリングな楽しさがあるであろう。

たいていのお題は時事問題であり(「モリ・カケ問題」「東京オリンピック」「政治の劣化」「グローバリズム」「トランプ」等々)であり、発売が2020年なので、今読むと、若干古い気はする。

 国民国家の衰退と今後の在り方予測がさまざまな切り口から語られるが、ベースにあるのはアンチ・グローバル主義がもたらす個人主義的な「〜ファースト」の内包する了見の狭さから脱却し、「周りの人たちを「同胞」と感じることができ、その人たちのためだったら、「身銭を切ってもいい」と思えるような、そういう手触りの温かい共同体」をどうやって立ち上げるか、がテーマであると思う。

 原理主義的に極へ走れば、違う意見の人間を憎むことにしかならない。俺はこうだけど、そういうのも、アリだよね、的なゆるさが、これから求められる世界観になると思う。

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