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畑仕事、キャンピングカーの旅、サウナ、読書…晴耕雨読の日々を綴る【いくら君のこころととのう日記】

柄谷行人『力と交換様式』読了

読書について 2024年2月12日

柄谷行人『力と交換様式』読了

柄谷氏の最新の仕事『力と交換様式』読了。

氏は、13年前に上梓した『世界史の構造』から数年後、いい足りないものを感じ、本作に着手したという。

前項『世界史の構造』でも触れたが、柄谷氏は人類の歩みを変化を「生産様式」で読み解くことには限界があるとし、「交換様式」の観点から考えていくべきだという発想をかなり昔に得た。そして、『トランスクリティーク』、『世界史の構造』、そして本作に至るまで「交換様式」という観点から人類を、世界史を通して未来を見ようとしている。

まず氏の、勉強量(読書量?)、あるいは博学さに驚嘆する。そして、独自の視点から知を縦横に交錯させながら、自らの考察を展開し、われら読者に丁寧に示していく。驚きと感謝の一言に尽きる。

柄谷氏は「交換様式」から生じる「力」を軸に人類史を見る。いまだに絶えない、3000年に渡り繰り返されている戦争や恐怖政治によって多くの庶民が生命の危機に脅かされている現在、呪力(A)、権力(B)、資本の力(C)が結合した資本=ネーション=国家をアウフヘーベンする「力」(D)の到来を語る。それはカントの言う「世界共和国」と同意義である。

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