読書について 2024年3月8日
ハラリ『サピエンス全史』読了3/4
- 3月4日ユヴァル・ノア・ハラミ『サピエンス全史』読了。3月9日(土)14:00〜「芥研」の研究会がある。今回のテーマは柄谷行人『力と交換様式』で報告者は清水くんである。氏は、若い頃より現代哲学に親しみ造詣も深い。さらに、柄谷行人の諸作を40年にわたり継続的に読んでいる。よって、かなりの発表になることが予想された。「いくら君」としてもいい加減な気持ちでは望めない。しっかりした準備をしてその会に望みたいと考えている。よって、柄谷氏の『世界史の構造』『力と交換様式』を読み、その他いくつかの柄谷作品に当たった。そこで何かの参考になるか?と、その程度の動機で、本作『サピエンス全史』を手に取った。発表時、世界的にもかなり話題になりなは知っていたし、いつかは読もうとも思っていた。そして、最近文庫本になったので、早速購入し、上記の理由で読み始めた。そのため、どうしても柄谷の『世界史の構造』および『力と交換様式』と比較してしまいがちで、最初は文章の質やアメリカ的な比喩への違和感、またキーワードの定義の曖昧さなどにより、つい「雑だなあ。これは論文ではないな。おもしろ人類史か、などと一人批判的なツッコミを入れながら読んでいたのだが、下の最終章は著者の独特な歴史観が全開に展開されかなり引き込まれた。
- まあ、いい本の部類には入ると思う。しかし、柄谷の誠実さ、丁寧さにやはり軍配があがる。まあ、比較するものではないのだが。