村田沙耶香の作品に触れるのは、芥川賞受書作『コンビニ人間』以来、2作目である。 『コンビニ人間』読了のさい、ものすごい人が出てきたな、という感想を持った。とにかくものすごい衝撃を受けた。今まで、存在していなかった新しい人類の登場、というか、全く新しい世界観を表出した作品とし・・・
『消滅世界』(村田沙耶香)読了
芥研 千葉編
2023年6月16日(金) 19:00 千葉県中央区都町 長谷川宅に集合。 別胸の書斎にて、再会を祝い、ビールで乾杯、お寿司を摘む。 8時研究会開始。本日の発表者は清水君。テーマは「二つの観点から『明るい部屋の謎』(セルジュ テスロン)を読・・・
雨予報結局曇り空
天気予報では雨だった。今日は畑仕事は無理だなと端から決めてつけていた。 で、起床直後(5時)畑へ。収穫だけして(キュウリ4本、ズッキーニ1本、人参、長葱)帰宅。 午前中は、読書と決めていた。芥研は金曜日から土曜日(一泊二日)。課題図書は『明るい部屋の謎』(セルジュ ティス・・・
『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ)読了
主人公「優子」は七回も家族の形態が変化する。実の母は亡くなり、父は3人存在する。 本作第一章はこう始まる。 「困った。全然不幸ではないのだ。少しでも厄介なことや困難を抱えていればいいのだけれど、適当なものは見当たらない。いつものことながら、この状況に申し訳なくなってし・・・
大雨大風読書送り迎え
本日6月2日(金)は、前日からの予想通り、大雨大風大嵐の1日である。 当然、畑仕事はお休み。一日中読書三昧。 本日の作品は『暇と退屈の倫理学』』(國分功一郎)と『そしてバトンは渡された』(瀬尾まいこ)。 「暇と退屈、、」は二度目。「バトン」は何年も前からずーっと読み・・・
『明るい部屋の謎』(セルジュ ティスロン)読了
『明るい部屋の謎』(ティスロン)読了。 文学研究会(芥研)の次回発表者清水君が本書について発表するということで、『明るい部屋』(バルト)に続き、本作を読んだ。ティスロンは1948年生まれのフランスの精神分析者であるが、さまざまな著作を発表しており、本作は写真論についてであ・・・
『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』(金間大介)読了
バルトの『明るい部屋』と並行して読んでいた。バルトは論理が難しく表現が特徴的なのでなかなか頭に入らず、何度も何度も一箇所を振り返るようなことがあり、なかなか進まなかった。 そんなとき、本書を手に取り、そうだそうだと、納得しながら、心を落ち着けさせた。 昨年度まで・・・
『明るい部屋』(ロランバルト)読了
6月の芥研(文学研究会)の発表者は清水君で、写真論をやるという。テキストは『明るい部屋の謎』(セルジュ ティスロン)だ。本書はバルトの写真論『明るい部屋』を批判的に論述したものだという。というわけで、その元となる、バルトを読んだというわけ。どうもフランス哲学は詩のようで分かった・・・
『街とその不確かな壁』(村上春樹)読了
2週間以上この長大な(1200枚)作品と時間を過ごした。 以前書いたように、ここ30年私は村上春樹の良い読者ではなかった。私が高校生の頃彼は作家としてデビューした。全く新しい人が出てきたと感じた。その後、諸作品を読みすすめていくにつれ、私の中の「村上春樹」はほぼ神の如く・・・
村上春樹
「街とその不確かな壁」 久しぶりに(30年ぶりくらい)村上春樹の小説を楽しく読んでいる。「ノルウエイの森」以降、ずーっと幻滅続きだったが、今回の作品はなんだか、反発心や裏切られた感なしに素直に読める。 ちなみに私の一番の推しは「世界の終りとハードボイルドワンダ・・・