最近の読書。平野啓一郎『三島由紀夫論』→三島由紀夫『仮面の告白』→森鷗外「ヰタ・セックスアリス」と流れてきております。というわけで、本日「ヰタ・セックスアリス」読了。中学生の時以来2度目だが、あの時はあまりよくわからなかった。着物の女の子が端折って主人公の前に飛び降りると・・・
森鴎外「ヰタ・セックスアリス」読了

三島由紀夫『仮面の告白』読了

本作を初めて読んだのは、多分42,3年前、大学生の時である。それから、少なくとも4,5回は再読している。 正直いって、ずっと本作の良さがよくわからなかった。いくら君が師事した、故人「田久保英夫」氏に『仮面の告白』について問うた際、三島とほぼ同年代の、発表時に新刊で読ん・・・
平野啓一郎『三島由紀夫論』読了

2023.7.11より読み出した平野啓一郎『三島由紀夫論』を本日(2023.7.31)読了した。 本作は平野啓一郎氏を文学に誘った(引き摺り込んだ?)三島由紀夫の4作品(『仮面の告白』『金閣寺』『英霊の声』『豊饒の海』)の作品論であり,作家論にもなっている。大変・・・
『堤未果のショック・ドクトリン』(堤未果)

堤未果の本は、文体が煽り気味で「ホンマかいな」と眉に唾をつけたくなるような感じがあるが、一つ一つ読んでいくと確かに彼女が、調べ、書き、多くの人々に訴えたい事実は確かな事のようだ。ただし、「アホな人にもわかるように」と言うことを考慮しすぎなのか(それが著者の問題か、編集者の問・・・
三島由紀夫「英霊の聲」

先日より、平野啓一郎『三島由紀夫論』を読んでいる。本作は、『仮面の告白』『金閣寺』「英霊の聲」『豊饒の海』の4作品を縦横に読み解きながら展開する、個々の作品論でもあり、また三島の作家論にもなっていると言う平野の力作である。 『豊饒の海』は学部の卒論で取り扱い、『金閣寺・・・
平野啓一郎『三島由紀夫論』

七月九日まで、芥研の課題をやり、みなさんに送付した。 五月は『街と不確かな壁』(村上春樹)六月は芥研、清水くん発表の写真論の予習のため『明るい部屋』(ロラン・バルト)、『明るい部屋の謎』(セルジュ・テスロン)を二度ずつ読み、それ以降は、自分の発表順のため、その準備として・・・
『消滅世界』(村田沙耶香)読了

村田沙耶香の作品に触れるのは、芥川賞受書作『コンビニ人間』以来、2作目である。 『コンビニ人間』読了のさい、ものすごい人が出てきたな、という感想を持った。とにかくものすごい衝撃を受けた。今まで、存在していなかった新しい人類の登場、というか、全く新しい世界観を表出した作品とし・・・
芥研 千葉編

2023年6月16日(金) 19:00 千葉県中央区都町 長谷川宅に集合。 別胸の書斎にて、再会を祝い、ビールで乾杯、お寿司を摘む。 8時研究会開始。本日の発表者は清水君。テーマは「二つの観点から『明るい部屋の謎』(セルジュ テスロン)を読・・・
雨予報結局曇り空

天気予報では雨だった。今日は畑仕事は無理だなと端から決めてつけていた。 で、起床直後(5時)畑へ。収穫だけして(キュウリ4本、ズッキーニ1本、人参、長葱)帰宅。 午前中は、読書と決めていた。芥研は金曜日から土曜日(一泊二日)。課題図書は『明るい部屋の謎』(セルジュ ティス・・・
『そして、バトンは渡された』(瀬尾まいこ)読了

主人公「優子」は七回も家族の形態が変化する。実の母は亡くなり、父は3人存在する。 本作第一章はこう始まる。 「困った。全然不幸ではないのだ。少しでも厄介なことや困難を抱えていればいいのだけれど、適当なものは見当たらない。いつものことながら、この状況に申し訳なくなってし・・・