『堤未果のショック・ドクトリン』(堤未果)
堤未果の本は、文体が煽り気味で「ホンマかいな」と眉に唾をつけたくなるような感じがあるが、一つ一つ読んでいくと確かに彼女が、調べ、書き、多くの人々に訴えたい事実は確かな事のようだ。ただし、「アホな人にもわかるように」と言うことを考慮しすぎなのか(それが著者の問題か、編集者の問題かはわからないが)、文体に信頼性を持てないところが残念だ。
「ショック・ドクトリン」とはテロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。」と裏表紙にある。
9.11の後のアメリカ。3.11以後の日本。などなど。
なんか酷いことが起こり、人々が思考停止状態になっている隙に、国や巨大資本が結託して、一部の人だけが儲かるようなシステムを作り出してしまう、と言うこと。その報告が「ショック・ドクトリン」だ。
日本も世界も、確実に悪くなっている、と言うのは最近よく耳にする文フレーズである。特に日本においては、30年給料が上がらず、経済はジリ貧状態でありながら、物価は上がり、退職金は下がり、税金は上がり、しかし軍事費には多額の予算を組み、芸能人のスキャンダルを大々的にメディが流している裏で、とっても怖い法律がどんどん通っていく、などなど列挙すればキリがない。その一方で巨額のマネーを得ている、組織や個人がおり、彼らと庶民の経済格差は広がる一方でありながら、マスコミもテレビも、もちろん政治家も、信じられず、どこにどう訴え、前を向きこ坊を持てばいいのかわからないような状態になっている。
NHKはじめマスメディアでは決して、安倍昭恵さん(と言う「私人」(閣議決定までされた))が税金で、自民党の旧統一教会系の議員を引き連れて台湾へ行っている、とか、報道されないように、あまりにも、真実を報道しない(国、自民党に忖度?)、あるいは捻じ曲げて報道する、など、おかしなことだらけだ。Twitterを少しのぞけばそんな話ばかりだ。で、自民党がヤバいと思えば、すぐTwitterはバンされる。岩波の雑誌「世界」8月号(安倍晋三特集)のTwitterも一時的に使えなくなっった。
Twitter社に世界中から「つぶやき」の凍結依頼が来るそうだが、そのお願いの一番多い国は日本だそうだ。全く、民主的ではない。偉い人?(自民党議員?統一教会関連の人?孫さん?三木谷氏?)に楯突くと、理由もわからず、ページを差し止められる。
なんじゃ、その国は? 日本が民主国家なんて今じゃ誰も信じていないだろう。いつの間に独裁国家になったのだ? そこが彼らの巧妙なところなのだ。
だからと言って泣き言ばかり言っていても仕方がない。とにかく、日本をフェアーな国、フェアーな倫理的意識を持った政治家だらけの国にしなければならない。そのためには、木原誠二問題ではないが、晒して吊し上げて、で、次の選挙で落とすしかない。それ以外にこの国を救う道はない。
話がそれた。この本に書かれた真実をよく理解し、アンテナを敏感にし、自分で考え、自分の意見を持つことが必要なのだ。
あっ、だから「チャットG PT」なんてものを広めて、みんながものを考えない、ただ言葉が強い者についていくような社会を作ろうとしているのか! そう考えると、辻褄があう。
スカイスパ
先週は、月曜日に「満天の湯」に行ったきりだった。木曜日にどこかのサウナへうこうと思っていたのだが、あまりの暑さに動くのが嫌で、結局流した。
連休中は混んでいるであろうから私は行かない。と言うわけで、本日、朝畑で草刈機をブンブン回し砂埃に塗れたのちに、「スカイスパ」へ行ってきた。
いやあ、やはり、あそこは夢の世界。なんだかいい。客層がいいのかなあ。サウナに特化した施設でお値段も張るし、近所のじーさんがチャリで毎日通う、ってところではないから。お客様は、洗練されたサウなーたちなので、マナー違反をするようなものは〈ほとんど〉いない。ここが微妙。やはり少しはいるけれど、それは許容範囲。
素晴らしい半日を過ごしてまいりました。ありがとうございました。
芥研
昨日、オンライン上で「芥研」(文学研究会)が14時より行われた。
今回の、当番は「いくら君」のため、先月より1月ほどかけて書いた小説を、事前にメンバーの皆さんに送り、読んでいただき、批評を受けた。
なんやかやで、断続的であるが「いくら君」は30年以上小説を書き続けており、その度、「芥研」のメンバーに読んでいただいてきた。そして、けちょんけちょんに、やられてきた。
今回、皆さんに読んでいただいた作品は、原稿用紙換算107枚。老高等学校教諭が引退するまでの約半年間の、心理や出来事を中心に描いた「馬鈴薯」と言うものだ。昨年、別の30枚くらいの小品を皆さんに読んでいただき、比較的好評価をいただいたのだが、今回は、ほぼ絶賛、と言う感じだった。
30年以上につきあいになるメンバーたちはとてつもなく辛辣で厳しく、他人のことなど褒めることなどほとんどないのだが(特にアイロニカルでありながら、終いに自己崩壊する清水君)、今回は褒められた。六十二歳になっても成長するんだね、などと、変な褒められ方もした。
嬉しい。嬉しいのであるが、本当なのか? こんなに、幸せなことが起こっていいのだろうか?
みんな俺のことを騙しているのでないだろうか? なんて考えが、横切るのでありました。
みなさん、ありがとうございました。
次回、長谷川さん、よろしくお願いします。
三島由紀夫「英霊の聲」
先日より、平野啓一郎『三島由紀夫論』を読んでいる。本作は、『仮面の告白』『金閣寺』「英霊の聲」『豊饒の海』の4作品を縦横に読み解きながら展開する、個々の作品論でもあり、また三島の作家論にもなっていると言う平野の力作である。
『豊饒の海』は学部の卒論で取り扱い、『金閣寺』は修士論文で取り扱った。よって、かなりの精読をしてきたつもりである。また、『仮面の告白』は三島の戦後のいわば第二のデビュー作であり、かなりの問題作であるため、多くの作家論に引用され、私もかなり読み込んできた。
しかし、「英霊の聲」は40数年前に読んだはずであるが、記憶が薄れてしまったため、本日読み返した。昭和41年6月「文藝」発表の短編であるが、すでに、政治活動を開始し、三島20代の「死ねなかった」トラウマが蘇ってきた、41歳時、晩年の作品である。
「能の修羅場の様式を借り」た作品で、「私」が帰神(かむがかり)の会(神道でおける「イタコ」のようなもの)に出席した夜、の出来事を記した物である。2・26事件の将校たち、あるいは特攻隊の隊員たちの霊が舞い降り、盲目の「川崎君」の肉体(口)を借りて、「などてすめらぎは人間となりたまひし」と人間宣言をした天皇に対し呪いの言葉を並べる、と言う作品である。
明日は、「英霊の聲」の章を読んでみる。
平野啓一郎『三島由紀夫論』
七月九日まで、芥研の課題をやり、みなさんに送付した。
五月は『街と不確かな壁』(村上春樹)六月は芥研、清水くん発表の写真論の予習のため『明るい部屋』(ロラン・バルト)、『明るい部屋の謎』(セルジュ・テスロン)を二度ずつ読み、それ以降は、自分の発表順のため、その準備としての作品にかかりきりだった。
と言うわけで、四月に購入した(発売された)平野啓一郎『三島由紀夫論』を、ようやく読み始めることができた。おとといから。すでに10時間以上は読んでいるが、700ページ中、150ページほどしか進んでいない。とにかく、読んではため息をつき、読んでは上をむいて考え込み、読んでは辞書を弾き、と言う感じだから、なかなか前へ進まない。
でも、その時間がとてつもなく愛おしく楽しい。
2023年(令和5年)上半期サウナ実績
1位 お風呂の王様瀬谷店 21回
2位 東名厚木健康センター 15回
3位 スカイスパ(横浜 5回
3位 ヨコヤマユーランド鶴見 5回
3位 満天の湯 5回
6位 カルマル(池袋) 3回
7位 ゆらっくす(熊本) 2回
8位 信州健康ランド(長野) 1回
大滝の湯(草津)
湯殿館(山梨)
お風呂の王様高座渋谷店
ウエルビー福岡(福岡)
ラカンの湯(佐賀)
サウナサン(長崎)
竜泉寺の湯
ヨコヤマユーランド緑
駿河健康ランド(静岡)
サウナしきじ(静岡)
北欧(上野)
舞浜ユーラシア(千葉)
湯の里ほのか(千葉)
合計71回
『消滅世界』(村田沙耶香)読了
村田沙耶香の作品に触れるのは、芥川賞受書作『コンビニ人間』以来、2作目である。
『コンビニ人間』読了のさい、ものすごい人が出てきたな、という感想を持った。とにかくものすごい衝撃を受けた。今まで、存在していなかった新しい人類の登場、というか、全く新しい世界観を表出した作品として読んだ。
しかし、その後何冊か購入したものの日々の雑事に紛れ、積読状態になっていた。本を整理していて、『消滅世界』を発見し、読み始めた。
多分、作品の完成度は『コンビニ人間』の方が上だろう。しかし、世界に、人類に喧嘩を売っている非常識な力は『消滅世界』の方が上だ。
セックスではなく人工授精で、子供を産むことが定着した世界。そこでは夫婦間の性行為は「近親相姦」とタブー視され、両親の姓行為によって生まれた主人公「雨音」は母親に嫌悪感を抱きつつ、性的行為を行う。ぶっとびの世界観。
異性愛に含まれる「所有原理」は男性側からの押し付けである、という思想へのアンチテーゼなのだ。ジェンダーレス社会において、セックスは、「男」が「女」を所有するための行為ということになる。所有され、隷属されるのではない、女性的な暖かさの共有みたいなものが、この『消滅世界』には存在する。しかし、突き詰めていけば、人類を存続するためには、愛も性愛も本能から外した、人工的な妊娠出産子育て教育というものにならざるを得ない。
世界が消滅するのは近いだろう。
デビューして、もう二十年も経つのね。驚き。
長葱とサウナの友情
6月18日(日)に長葱の苗を植えた。今年の冬用のやつだ。4月にタネを撒き、苗を大事に育てていたが結構大きくなってきたので、この日に畝8mに何本だろう?150本くらいかな、苗を植えた。相当数余った。どうしようか?
翌日は、家族総出で馬鈴薯掘り。その間際、山の師匠であり株の師匠でもある遠井ちゃん(畑は俺が師匠)にネギ苗いらない?とラインした。50本欲しいと。で、どうしようか?郵送しようか?と打ったら、今から東名厚木健康センターへこいと言う。
で、家族を自宅へ送り、12時20分くらいに事情を話し、厚木へ出発。当然、急いでいるので東名を使って。1時ちょうどくらいに着いた。遠井ちゃんが待っていて、ネギ苗と今朝どりの隠元を渡した。そして、いつも通り厚木で4セットやって帰った。
翌日、苗を植えた様子の写真が送られてきた。
よかったよかった。
恒例馬鈴薯掘り
3月10日に植えたジャガイモ(メークイン3kg、男爵3kg)のいい塩梅になってきたので、妹に連絡、毎年お子を連れて家族総出で芋掘りをしていたのだが、今年は下のお嬢さん(あやねちゃん)も中学生にになり部活動で忙しいという。ということで、妹一人で参戦。87の母に声をかけたら当たり前のように「いくわよ!」とのこと。というわけで6月19日(月)「桜桃忌」に太宰を偲んで? 家族総出の芋掘りとなった。
結論ですが、まあよくできていました! 素晴らしい。妹は妻であり食べ盛りの2児の母でもある。というわけで、馬鈴薯一籠だけでなく人参、長葱、玉葱、胡瓜、ズッキーニ、大根、大葉等気合を入れて持って帰りました。
めでたしめでたし。
舞浜ユーラシア
6月16日(金)は千葉長谷川さん宅で19:00より芥研だ。横浜から車で2時間弱。午前中に畑を終え、時間が空いた。
「そうだ!千葉サウナへ行こう!」
ということで、自宅を13時前に出発し、14時半にはディズニーランド&シー側の「舞浜ユーラシア」へ。過去に一度だけ行ったことがある。素晴らしい施設だったという記憶。
フロントでJAFカードを提示しいくらか割引してもらう。まずは身を清めお風呂へ。お湯が太古の地層から汲み出しているという茶色で塩味のお湯が33度、37度、41度と数種類ある。他にも37度のジャグジー。サウナは80度のケロサウナと100度のフィンランドサウナ。あと低温の塩サウナ。上記の写真は外気よくから見えるディズニーランド周辺の風景だ。
とにかくサウナも水風呂もお風呂も外気浴も天候や風の力も手伝って、気持ち良くてしょうがない。
「ととのいました!」
3時間以上いました。